出産時、会陰切開が必要になる理由とその予防法 ~初産で会陰切開をした経験から学んだこと~

こんにちは。なすママ!です。

赤ちゃんを出産する際に、会陰(えいん)切開が必要になることがあります。

私は3回の出産のうち、長男の時に、この経験をしました。(次男・三男の時は会陰切開をしませんでした。)

『できれば会陰切開は避けたいと。』思われてる方は、たくさんいらっしゃると思います。私もそうでした。しかし、この処置が必要になる方は意外とたくさんいます。

そこで今回は、私の体験をもとに、会陰切開についてのあれこれをまとめてみました。

興味のある方は、ぜひこのまま読み進めて頂けると思います。

1.会陰切開とは

会陰とは膣口と肛門の間の部分のことをいいます。

会陰切開とは、この部分を切ることをいいます。この処置をすることで、赤ちゃんが生まれてくる出口を広げてあげることができます。

2.会陰切開が必要になる理由

会陰切開は、安全に赤ちゃんを産むために、医師の判断によって行われる医療的処置です。

会陰切開が必要となる理由は、大きく分けて4つあります。

①頭が大きいかったり、会陰の伸びが悪く、会陰部が裂けてしまう(会陰裂傷)危険性がある場合

②赤ちゃんを一刻も早く出す必要がある場合

③お産が長引いている場合

④鉗子などの器具を膣内に入れる必要がある場合

等です。

会陰が十分に伸びて、赤ちゃんが自然に、そして安全に出てこくることができる状態であれば、この処置は行われません。

会陰切開の実施率は、医師によって大きく異なります。初産の人のほとんどに行う医師もいますし、ほとんど実施しないという医師もいます。私のお産を担当してくれた助産師さんの話によると、私の出産した病院では、1人目を出産する場合、7~8割の人が、2人目以降の人は、5割程度の人が会陰切開を経験すると教えて下さいました。

3.会陰裂創のレベル

会陰裂傷とは、出産の時に会陰部が裂けてしまうこと、またはその傷のことです。

会陰裂傷は、お産を経験した3~7割くらいの人におこるといわれています。ただ傷は会陰切開の傷に較べて浅いことがほとんどです。しかし、まれに、その裂傷が直腸にまで及んでしまうこともあります。

この会陰裂傷は4段階にわけることができます。

第1度会陰裂傷(レベル1)

会陰部の皮膚のみの裂傷。膣壁粘膜表面のみのかすり傷程度。

第2度会陰裂傷(レベル2)

皮膚と一緒にその下の筋肉層まで裂ける。会陰切開と同等のレベルの裂傷。

第3度会陰裂傷(レベル3)

肛門括約筋(肛門をしめる筋肉)まで及ぶ裂傷。

第4度会陰裂傷(レベル4)

会陰から肛門、直腸粘膜まで及ぶ裂傷。

レベル3や4の裂傷は、もともと骨盤の小さい方や赤ちゃんの頭が通常より大きく方がお産する際に、出産のスピードが速すぎて対処が間に合わない時などによく起こるようです。

分娩後の第3度,4度の会陰裂傷は経膣分娩の例の約1.4~6.5%に発症するといわれている。

2009年の関東連合産科婦人科学会の抄録より引用

4.会陰裂傷の予後

第1度会陰裂傷(レベル1)

かすり傷程度なので縫う必要はほとんどありません。一般的には、治癒に1週間程度かかるとされていますが、翌日には、状態が回復していることもあります。

第2度会陰裂傷(レベル2)

会陰切開と同等で、よくあるレベルの裂傷です。傷口は3cm前後ですが、筋線維まで切れているのでかなり出血します。当日は痛みで眠れないこともあります。

当然、赤ちゃんは血まみれになって生まれてきます。

傷口は体に吸収される糸で縫われることが多いです。そのため、抜糸は必要ないことがほとんどです。

退院するころには痛みほとんどなくなっていることもあります。

しかし、縫合した糸のひきつれ等が原因で、会陰部に突っ張る感じがあり、痛みを伴うことがあります。

縫合した部分の皮膚が元の状態に戻ろうとするため、糸が引っ張られて痛みが出るのですが、座っていても歩いていても、寝ている時でさえ痛みを感じるので、思うように動けないのです。例えるなら、細い針を何本も刺された状態で生活しているようなかんじでした。

そういった場合は、あえて抜糸の選択させてもらえる場合があります。『医師からは、(抜糸しても、しなくとも)どちらでもいいよ。』と言われたのですが、私は抜糸を選択しました。抜糸されている様子が自分からは見えないので、不安や恐怖はありましたが、会陰部私の場合は抜糸してもらって正解でした。抜糸とともに、会陰部の不快感はほとんどなくなりました。

早く回復させるには患部を圧迫せず、清潔にすることが大切です。

第3度会陰裂傷(レベル3)

レベル3以上になると、膣壁縫合や肛門括約筋縫合の手術が必要となります。

手術後をしても、便意を我慢できず便失禁してしまうことがあります。そうなると傷口から細菌に感染してしまう可能性が高まります。

3度以上の裂傷になる可能性がある場合は、あらかじめ人工的に切開してしまったほうが、体に受ける侵襲が少なくて済み、予後も格段に良いです。

第4度会陰裂傷(レベル4)

人によっては人工肛門が必要だったり、膣と直腸がつながってしまうほど裂けるので膣からガスや便が出てきてしまうこともあります。

激痛が1週間以上続き、痛み止めなしではとても過ごすことができないことがほとんどです。痛み止めの点滴でも効かない時は麻酔を患部に直接に打つこともあるようです。退院してもしばらくは痛み止めが手放せず、完治まで半年以上かかる人もいます。

表面上傷が閉じて治っているように見えても、突然激痛が走り出血することがあります。裂傷した部分を直接縫うわけではなく、周りを引っ張って縫います。それにより傷自体はくっついても腸の粘膜が再生するまでは時間がかかります。そのため外部からちょっと強い刺激が入ると組織部分から出血してしまうのです。そんな状態になってしまうため、場合によっては一生痛みがなくならない人もいるそうです。

会陰切開は損傷レベルによって、予後が大きく異なります。

しかし1度や2度なら安心というわけではありません。

出産時軽度の会陰裂傷があったが、特に問題なく生活していた方でも、何十年たった時に、便失禁が続くため、検査したところ実は出産時の会陰裂傷が原因だったということもあるそうです。

また、会陰裂傷はなくても外肛門括約筋に分布する陰部神経が切れてしまい、便が漏れやすくなるということもあります。外肛門括約筋は意識的に肛門を閉めるときに使うのですが、若いときはほかの筋肉がそれを補うため何年も気が付かず年を取ってから緩くなり、詳しく調べると出産時のトラブルだったということがわかることもあるようです。

5.会陰切開をしない出産の工夫

会陰切開をしない出産の工夫に、呼吸法やリラクセーションなどがあります。また、妊娠28週を過ぎた頃から行うことができる、会陰マッサージも有効といわれています。私のお世話になった病院では、週に2~3回程度、臨月にはできるだけ毎日、会陰マッサージを行うように、指導がありました。

また、切開なしでも産める理由に、助産師さんの技術というものもあります。助産師さんが赤ちゃんの頭の降り具合を手でコントロールして、会陰が十分にやわらかくなり、赤ちゃんが通っても切れないようになるまで誕生を待つのです。

ただ、こういう出産をする際には、待つ覚悟が必要です。

出産する時の最後の段階の陣痛は相当なものです。『少しでも早く赤ちゃんに出て欲しい』と思うものです。しかし、そんな状況でも、会陰が柔らかくなっていなければ、待ち時間は長くなります。

また、最後に赤ちゃんの頭が見えたとき、深呼吸をしなくてはいけない場面があるのですが、そこで、無理にいきんでしまうと会陰が裂けてしまうことがあるようです。陣痛を乗り越え最後の苦しいときに冷静になるのは難しいですが、ここは、担当医や看護師の声に耳を傾けて、しっかりと指示に従いましょう。

6.会陰切開をしないメリット

私が会陰切開をした時は、陣痛の痛みがはるかにそれに勝っていたので、『今切られた!?』という感覚はありましたが、それに伴う痛みは全くありませんでした。

会陰を縫われる際も、それほど痛みはありませんでした。しいて言うなら、『ピンセットで、皮膚を摘ままれるような感覚の痛みが数回あったかな?』程度の痛みでした。

会陰切開をしなかったありがたみを実感するは、その後です。

会陰切開をすると、陰部の痛みから、多くの人は、椅子にぺたんと座れないため、数日間は円座が手放せなくなります。長男を出産した際の私も、この状態でした。足を開くと痛みが襲ってくるため、歩く際の、歩幅は極力狭く、腰は曲がり気味で前かがみになりながら、そろそろと歩いていました。座る時も、ゆっくりと、極力会陰部に刺激が加わらないように、慎重に、慎重に…と、かなり神経を使いました。

そのため、次男の産後もこの状態を想像していました。しかし、会陰切開をしなかった次男の産後は、スタスタ歩けて、どこにでもサッとすわることができました。出産に伴う会陰の腫れの引きも早かったように思います。素早く動ける、どこにでも座れることだけの違いなのですが、産後の赤ちゃんの世話が本当に楽でした。

7.会陰切開の流れ

会陰切開の方法は大きく分けて3種類あります。

①正中切開

膣口から肛門にかけて真っすぐ切開します。出血や痛みが少ないというメリットがありますが、重い裂傷につながるリスクもあります。

②正中側切開

膣口から少し斜め(5時7時の角度)に切開します。もっともリスクが少ないとされており、一般的にはこの方法が主に用いられます。

③側切開

正中側切開よりさらに外側に切開します。会陰が極端に狭い人、肛門や直腸が損傷する可能性が高い場合に選択されます。

①~③のどの方法でも、膣口から肛門に向けてハサミを入れます。切開する長さは2~3cmほどです。

この時、麻酔を使用するかどうかは病院によりますが、麻酔をしない場合はそのまま切開します。

麻酔なしでの切開と聞いてしまうと恐怖を感じてしまいますが、赤ちゃんが出てくるときの圧力で、会陰や膣口周辺が麻痺していることが多いため、麻酔がなくとも、痛みは感じにくいそうです。

切開するときは全くわからなかった、ハサミで切る音はしたけど痛みはなかった、という人がほとんどのようですです。私も痛みは全くありませんでした。

8.出産後の会陰処置の流れ

会陰縫合

出産後、会陰切開を医師に縫合してもらいます。

縫合に使われる糸は、溶けない絹糸か、体に吸収されて溶ける糸のどちらかが使用されます。

会陰縫合の抜糸

溶ける糸で縫合した場合は、糸は徐々に体内に吸収されていき、1ヶ月ほどで糸がなくなります。長くかかる人でも2ヶ月もすれば完全に溶けてしまいます。ただし、溶ける糸を使った場合でも、縫合した部分が突っ張って痛い、このまま溶けるのを待つのは辛いということがあります。その場合は、医師に相談し、糸が溶ける前に抜糸することの選択も、検討してみて下さい。突っ張ったり痛みがある状態で溶けきるのを待つより、抜糸による、一時の痛みを我慢してした方が楽になることが多いからです。

絹糸を使用した場合は、抜糸をする必要があります。

抜糸は、会陰切開の痛みが治まってきて、しっかり回復したタイミングで行います。会陰切開の痛みは産後3~4日がピークだといわれており、ほとんどの人が退院する頃には落ち着きます。そのため、会陰縫合部の抜糸は、退院する前日ぐらいに行われることが多いようです。

抜糸は麻酔をせずに行い、私の場合は、だいたい5~10分ほどで終わりました。

ただし、切開した部分が広ければ縫い合わせた部分も多いということになりますので、抜く糸の量によってかかる時間も、多少ではありますが変わってきます。

また、会陰切開の場合はハサミでキレイに切ってあり、縫合も複雑ではないため比較的スムーズに終わります。

ですが、会陰裂傷で縫合した場合は、切ったというより裂けてギザギザになった傷口を縫い合わせていますので、縫合も複雑になり抜糸も簡単にはいかず、かかる時間も状態によってかなり違ってきます。

抜糸の痛みは、我慢できないほどの激痛というわけではありませんが、抜糸されている様子が見えないことなどから、私はついつい体に力が入ってしまいましたが、痛みがそれほど強くなく、しいて言えば、毛抜きを使って無駄毛を抜くような感じの痛みでした。

抜糸した後は突っ張るような痛みも消え、歩くことも座ることもスムーズにできるのでとても楽になります。

1か月健診

完全に痛みがなくなるには、私の場合は、1ヶ月ほどはかかりました。痛みがなくなるまでは、ドーナツ型クッションなどを利用して、身体に負担をかけないように心ていました。この間に、無理をしすぎると傷口がひらき、再縫合が必要になる場合もあるそうなので、体に負担をかけすぎない生活をすることをおすすめします。

退院1か月後には1か月健診があります。会陰切開をした場合は、子宮の状態の確認等と一緒に医師が診察してくれます。

9.会陰切開の傷や痛みを早く治すには

1日でも早く完治するには、まず安静第一です。新生児期の赤ちゃんのお世話は、目が回るほど忙しいでしょうが、赤ちゃんが寝ているときは自分も寝るようにして、たとえ眠れなくても横になって安静ましょう。

しっかり栄養を摂ることも大事です。タンパク質やビタミン類は傷の治りを早めてくれますので積極的に摂取してください。

また、患部が蒸れると化膿してしまうこともありますので、清潔に保つよう心がけましょう。傷口に刺激を与えないことも重要です。クッションなどを使って、患部が直接当たらないように工夫してください。

そして、痛みが強かったりいつまでも治まらないときには医師に相談しましょう。母乳をあげているママでも飲めるお薬もあります。必要時には薬の力を借りることも一つの選択です。

10.会陰切開の傷跡

会陰切開は裂けないようにハサミでキレイに切るため、縫合もしやすく傷も残りません。しかし会陰裂傷で裂けてしまった場合は、傷口がギザギザになるので縫合しづらく傷跡が残らないとも限りません。

また、希にミミズ腫れのようになってしまうケースもあります。しかし、時間が経てば自然に治っていくこともありますのでしばらくは様子をみましょう。

まったく気にならなくなるには約1ヶ月ほどかかりますが、痛みより痒みを感じてきたら完治しかけているサインだと思ってください。

痛みが落ち着くと、今度は会陰切開した部分がかゆくなってきます。傷口が痒くなるというのは皮膚が再生してきている証拠です。しかし、痒いからといって掻いてしまうのはようありません。蒸れないようにナプキンをこまめに取り替えて、通気性のある下着をはきましょう。

しかし、我慢できないような、あまりに強い痒みは注意が必要です。傷口だけでなく外性器全体に強い痒みがある場合は、カンジダ症になっている可能性が考えられます。

カンジダ症を起こすカンジダ菌はカビの一種で、もともと人が体内に持っていることが多い菌です。

カンジダ菌は、普段は、まったく問題ない菌なのですが、産後の体調不良や慣れない子育てによる疲労などにより自己免疫力が低下すると、としてさまざまな症状を引き起こします。治療には抗真菌薬が使われます。

また出血がみられた場合には、傷口が化膿していたり血腫ができて可能性が考えられます。

強い痒みや出血に限らず、何か異常があると感じた時には1ヶ月後の検診を待たずにすぐに診察してもらいましょう。

11.最後に

会陰切開は、安全、安心に出産じが行われるように、医師の判断に基づいて行われる、医療行為です。

怖そうな印象を受けますが、赤ちゃんが安全に生まれてくるため、また、ママの身体に大きな傷を作らないための大切な処置です。

一部例外はありますが、妊娠後期から産後にかけて、きちんとしたケアを行えば、会陰切開を受けても早い回復へとつなげることができることができます。

これから出産を控えられている方は、不安もあるかと思いますが、会陰切開を正しく理解し、出産に臨んでいただけたらと思います。

今回の記事は以上になります。

最後までご覧下さり、ありがとうございました(^^)

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